世界最速タイ3階級覇者でWBOフライ級王者の田中恒成(23=畑中)が初防衛から一夜明けた17日、名古屋市内で会見し、あらためて反省を口にした。「田口選手と本当にいい試合ができたことは間違いないです。そこは強調したい」とした上で「昨日さらっと試合映像を見ましたが、全然いいボクシングをしていなかった。ほぼ反省、ほぼ納得いかない内容ですね」とこぼした。

元WBA&IBFライトフライ級統一王者田口良一に3-0判定勝ち。ジャッジ1人が119-109、2人が117-111の大差をつけた完勝だった。しかし「やっぱり倒したかった。途中からポイントはリードしていると思って、いつ倒そうか考えてましたから」と話した。また試合直後に「もらいすぎ」と話していた防御にも触れて「パンチだけじゃなく(接近戦で)だいぶ頭が当たったというのもあるけど…。×に近い△」。この日も両目の腫れが目立ち「2日後には引いてるでしょう」と言うが、ダメージの蓄積は今後に影響を与えかねず、改善の必要を認めた。

今後について、田中陣営の基本路線は、年内は防衛戦、来年にスーパーフライに階級を上げ井岡一翔らをターゲットにした4階級制覇挑戦。次戦は2度目の防衛戦になる予定だが、相手、時期についてはこれからだ。畑中清詞会長は「何も決まっていない。ただ今年は防衛戦をしていく。スーパーフライでチャンスがあれば(4階級制覇を狙いに)行く可能性がないこともないけど…。現状を見ながら」と話すにとどめた。

田中自身は、対戦相手に価値を認めるかどうかにこだわる。木村翔、田口良一という好敵手に2連勝した今、フライ級のフィールドに気になる選手はいるのか? 「う~ん、正直いません。フライ級に(興味が)あるとすれば、ベルト。(他団体=WBA、WBC、IBFの王者との)統一戦ですね」。しかし、畑中会長は統一戦は、マッチメークが「非常に難しい」と否定的。まさに状況を見ながら、相手と時期を選ぶことになりそうだ。