ボクシングのWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が心身の「リセット」を終え、本格的なスパーリングを開始した。

5月18日(日本時間19日)、英グラスゴーでワールド・ボクシング・スーパーシリーズ準決勝となるIBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)との2度目の防衛戦に備え、19日に横浜市の所属ジムでフィリピン人パートナーとのスパーリングを始めた。

アマ戦績が約200試合でWBOスーパーフライ級ユース王座を保持する若手成長株を相手に4回のスパーリングを消化。左ジャブを突き、ロープ際まで追い込んでの右ストレートを打ち込むなど、ロドリゲス戦を想定しながらの実戦練習となり「相手はホープなのでいい練習ができました。2週間で6回、良いスパーリングをしていきたい」と気合を入れ直した。

2月中旬に「自分がやりたいこと、気持ちと体が全然ついていかない。グチャグチャでへこみました」と不調に陥っていたことを明かした。不振脱出のため、あえて1カ月間、スパーリングを控え、ジムワーク以外の練習を続けて心身を切り替えたという。1週間前から日本選手とのスパーリングを再開。この日から外国人との拳を交え、手応えをつかんだ様子。トンネルを抜けた井上は「1度、リセットしたので、もう大丈夫。ここからやっていきたい」と充実した笑みを浮かべていた。【藤中栄二】