「革命戦士」こと長州力(67)が、45年のプロレスラー人生の幕を閉じた。最後の試合となる6人タッグマッチで越中詩郎(60)、石井智宏(43)と組み、藤波辰爾(65)、武藤敬司(56)、真壁刀義(46)組と対戦。真壁に敗れたが、すがすがしい表情でリングを去った。

リング上でマイクを持つと「長い間、プロレスファンのみなさんに応援されながらここまで来ることができた。私にとってプロレスはなんだったのかな。すべては勝っても負けても私自身はイーブン。本当にイーブンでした」と独特の表現で振り返った。「ただ、今から1つお願いがあります。どうしても勝てない人間がいました。それはきょう来てくれた家内の英子です。最後に彼女にこのリングにあげたいと思います」と妻英子さんを呼び寄せ、抱擁し、キスを交わした。「私はここまで。また引退して、家族のもとに帰ります」と宣言した。

以下、試合後のインタビューの主な一問一答

-今の心境

疲れましたね。最後は空回り。そこを越中、石井が助けてくれた。

-奥様を呼び寄せた

やっぱりいろいろ迷惑かけたし。元気に何事もなくおりることができたし。Uターンです。

-今後について

何も考えてないです。自分ができることを考えます。

-最後に聞いた3カウントは

これで終わりだな、と。毎日頭のどっかで猪木さんの名前があった。猪木会長とは違いがあるんですけど、あの方をずっと見てきて、プロレスというものが分かって。それでも、とてもじゃないが、リングの上のアントニオ猪木に近づくのはとてつもなく大変なこと。やっぱり猪木会長の場合はあの方が雰囲気をつくる。(ジャイアント)馬場さんも素晴らしい方ですけど、自分の場合は猪木会長。まぁ、到底及ばないですけど、プロレスの大事なものを自分なりに考えて、リングに打ち出してきたんじゃないかなと思っている。答えはない。(猪木氏は)やっぱりすごい方ですよ。

-藤波選手と最後の対戦

ちょこっと触らせてもらったんですけど、藤波さんもずっと会長についてきた人ですから。表現の仕方は別にして彼もそうなんじゃないかなと思いますよ。最後は悩みましたよ。猪木さんを呼ぶか。ここは最後の自分の集大成として、熱い声援で押し出してもらった。