GHCヘビー級王者の武藤敬司(58)が6人タッグに出場し、丸藤正道(41)との前哨戦に勝利した。

中盤に丸藤と相対した武藤は、得意技のシャイニングウィザード、ドラゴンスクリューを連続で決めるなど、軽快な動きで圧倒。腕狙いの丸藤の攻撃も素早くかわし、最後は足4の字固めで丸藤に強烈なダメージを与えた。

試合後、バックステージに現れた武藤は「何度かタイトルマッチをしていてスタミナには自信があった。丸藤のスピードは気になっていたが、今日はついて行けたと思う」と納得の表情を見せた。

一方、敗れた丸藤は「体がでかいし、重いし、足4の字はガッツリ入るからきつい」と完敗を認めた。その上で「今の武藤さんは最強だと思っているので必ず攻略する。俺と武藤さんしかできない試合をする」と前を向いた。しっかり対策を練り、最高のパフォーマンスを披露しなければ、勝機を見出すことができないと考えている。

武藤はこの日、GHCジュニアタッグ王者の小川、HAYATAとタッグを組んだ。小川は、武藤のライバルだった故・三沢光晴さんの元パートナー。「ジュニアのレベルの高さを拝見できた。(小川は)かゆいところに手が届いているというか。三沢光晴がなぜいつも横に置いていたかを感じることができた」と力量を認めた。

試合の最後は武藤が丸藤に、小川が大原に対して足4の字固めの“共演”。「横から見て素晴らしかった。いずれは一緒に組んでベルトを狙ってもいいのかな」と印象を語った。

6月6日、サイバーファイトフェスティバル2021(さいたまスーパーアリーナ)で3度目の防衛戦を戦う。「過信しないようにすれば大丈夫でしょう」と自信をのぞかせた。スタミナにスピードも身に付けた58歳に、今のところ死角は見当たらない。【松熊洋介】