GHCナショナル王者の杉浦貴(50)が、桜庭和志(52)との前哨戦に完敗した。

藤田と組んで桜庭、村上組と対戦した杉浦は、中盤以降は防戦一方。リング上では桜庭のフェイスロックに苦しみ、場外では村上の強烈な蹴りや、鉄柱攻撃を浴び続けた。桜庭の素早い絞め技にロープに逃げるのがやっと。最後はアキレス腱(けん)をキメられギブアップとなった。「あれだけガードされると厳しい。ペースがなかなかつかめなかった」と肩を落とした。

4月29日に藤田からベルトを奪った後、挑戦表明を受けた。「じゃんけんで勝ったら受けるよ」と言いながら敗れ、同門対決が実現した。普段から杉浦軍としてタッグを組み、お互いをよく知る相手。この日も序盤からけん制し合いながら、笑みを見せる場面もあった。

勝った桜庭も、タイトルマッチ本番が同じようにいくとは考えておらず、「1対1だと分からない。張り合いはやられるし、パワーでは勝てない。いろいろと作戦は考えている」と警戒する。

手の内をよく知る者同士の対戦。どちらが自分のペースに持ち込むかが、カギとなる。杉浦は「寝技に引き込まれないようにしないと」。桜庭の術中にはまらないよう、パワーで圧倒し、ベルトを守り抜く構えだ。