WBC、WBO世界スーパーバンタム級の新王者、井上尚弥(30=大橋)が歓喜のリング上で4団体統一戦を“約束”した相手とは-。
フルトン―井上戦を現地で視察したWBAスーパー、IBF世界スーパーバンタム級王者のマーロン・タパレス(31=フィリピン)は今年4月、新王者になったばかりだ。
スピードある攻撃と手数の多いサウスポーは、米サンアントニオで無敗の統一王者だったムロジョン・アフマダリエフ(28=ウズベキスタン)を判定で撃破した。11勝(8KO)無敗で強打を誇っていたアフマダリエフに、プロ初黒星をつけた。戦前予想を覆す「番狂わせ」を起こし、世界2階級制覇を成し遂げた。
08年にライトフライ級でプロデビューし、13年にWBOアジア・パシフィック・バンタム級王座を獲得。16年7月、プンルアン・ソー・シンユー(タイ)を11回KOで破り、WBO世界同級王座を獲得した。
ところが17年4月に大阪で大森将平の挑戦を受ける際、前日計量で体重超過し王座剥奪。試合は11回TKO勝ちしたものの、同王座は空位となった。
19年には米国でIBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦で岩佐亮佑と対決も、11回TKO負け。21年12月には勅使河原弘晶とのIBF世界同級挑戦者決定戦で計3度のダウンを奪って2回KO勝ちするなど日本を熟知している。
21年7月から練習拠点を米国に移し、以降はフィリピン在住の夫人、子供ら家族と離ればなれで暮らし、ボクシングに集中できる環境を整えている。
タパレスは試合後、統一戦に前向きな姿勢を示した。井上にリング上へ招かれ、世界ベルト2本を持ってリングイン。対戦意思を問われると「自分自身が王者であることを証明したいので戦いたい」と即答した。今回は陣営のジム・クロード・マナンキル・マネジャーらも同行。井上陣営との交渉はスムーズに進みそうだ。【藤中栄二】

