前4団体統一バンタム級王者の井上尚弥(30=大橋)が、新階級でも最強を証明した。

WBC、WBO世界スーパーバンタム級1位として、無敗のWBC、WBO世界同級王者スティーブン・フルトン(29=米国)に挑戦し、勝利を収めた、新階級と30歳の初戦でいきなり世界ベルト2本を獲得。井岡一翔(34=志成)に続く国内2人目の世界4階級制覇を成し遂げ、区切りとなる世界戦20連勝を飾った。


12年ロンドン・オリンピック(五輪)男子バンタム級銅メダリストでWBO世界フェザー級11位の清水聡(37=大橋)は世界王座を奪取できなかった。 WBO世界同級王者ロベイシ・ラミレス(29=キューバ出身)に5回TKO負け。勝てば37歳4カ月の最年長世界王座奪取だったが夢を阻まれ、この試合を最後に引退を示唆した。


井上尚弥が新階級でも最強証明 王者フルトン8回TKOで世界ベルト2本獲得し4階級制覇


WBC、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ


フルトン×8回
TKO
井上尚弥


WBC、WBO世界スーパーバンタム級新王者の井上はベルトを肩にかけサムズアップポーズ(撮影・鈴木みどり)
WBC、WBO世界スーパーバンタム級新王者の井上はベルトを肩にかけサムズアップポーズ(撮影・鈴木みどり)
新王者になり、ベルトを肩にガッツポーズを見せる井上(撮影・菅敏)
新王者になり、ベルトを肩にガッツポーズを見せる井上(撮影・菅敏)

試合経過

1回

井上は挑戦者の色、ブルーのトランクスを着用。入場から終始、気合の入った表情だった。1回開始からお互いの動きを冷静の見ながら距離を取る。井上のボディージャブが先制打。1分すぎまでほとんどパンチの交換なしも、中盤は左ジャブ、さらの右左連打でで前に出る。フルトンはバックステップでかわす。フルトンのジャブは届かない。井上が終始前に出てプレッシャーをかける。

<日刊採点 井上10-9>

WBC・WBO世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ 入場する井上(撮影・菅敏)
WBC・WBO世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ 入場する井上(撮影・菅敏)
WBC・WBO世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ 入場するフルトン(中央)(撮影・菅敏)
WBC・WBO世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ 入場するフルトン(中央)(撮影・菅敏)
1回、井上(右)はフルトンにパンチを打ち込む(撮影・滝沢徹郎)
1回、井上(右)はフルトンにパンチを打ち込む(撮影・滝沢徹郎)

2回

井上がジャブで突き放す。さらに右強打から左ボディーをヒット。フロトンはリングを旋回して逃げる。さらに井上のワンツーから左パンチの3連打がヒット。1分すぎにフルトンの連打は当たらない。2分すぎに井上の右が2発ヒット2発。

<日刊採点 井上10-9>

2回、フルトン(手前)を攻める井上(撮影・菅敏)
2回、フルトン(手前)を攻める井上(撮影・菅敏)

3回

開始からフルトンが前に出てジャブを突く。30秒すぎに井上に右ストレートがヒット。中盤はジャブの突き合いに。2分すぎ、井上の右ボディー決まる。終盤は井上のボディーブローにフルトンが下がる。フルトンは鼻血を出す。

<日刊採点 井上10-9>

3回、井上(右)はフルトンにパンチを打ち込む(撮影・滝沢徹郎)
3回、井上(右)はフルトンにパンチを打ち込む(撮影・滝沢徹郎)

4回

開始からジャブの突き合い。井上がガードの上から右強打をたたきつける。中盤もジャブの突き合いが続く。フルトンも前に出て右強打をふるう。フルトンも井上のパンチに慣れた感じ。

<日刊採点 井上10-9>


5回

フルトンがジャブでプレッシャーをかける。井上も左ボディーブローを決める。さらに左右連打も。中盤はフルトンの右ストレートが井上の顔面に2発クリーンヒット。井上も右を返す。終盤は井上の左右連打はフルトンのガードの上。フルトンのジャブが当たるように。

<日刊採点 フルトン10-9>


6回

フルトンが開始から前に出てプレッシャーかける。中盤は再びジャブの突き合い。井上の左フックから右パンチが浅く当たる。1分50秒、井上の右から左アッパーが浅く当たる。残り1分、井上の連打がヒットしはじめる。終盤に井上の連打がヒットしてフルトンがバランスを崩す。

<日刊採点 井上10-9>


7回

フルトンがじわじわ前に出てジャブ、ワンツーも井上はバックステップでかわす。中盤にフルトンの右が井上の顔面にクリーンヒット。井上も打ち返す。終盤に井上がフルトンをロープにつめて連打。ゴング間際にフルトンの左フックがヒット。

<日刊採点 フルトン10-9>


8回

井上が左ジャブを連発。フルトンは下がってかわす。30秒すぎに井上が右ストレートからの左フックを決めてダウンを奪う。立ち上がったフルトンに井上が連打で襲いかかり、レフェリーがストップ。4階級制覇達成!

8回、井上(左)はフルトンにラッシュしTKO勝ちする(撮影・滝沢徹郎)
8回、井上(左)はフルトンにラッシュしTKO勝ちする(撮影・滝沢徹郎)
8回、フルトン(左)からダウンを奪う井上(撮影・菅敏)
8回、フルトン(左)からダウンを奪う井上(撮影・菅敏)
8回、フルトン(左)をTKOで破る井上(撮影・菅敏)
8回、フルトン(左)をTKOで破る井上(撮影・菅敏)
フルトン対井上 フルトンに8回TKO勝ちし、駆け出す井上尚(撮影・鈴木みどり)
フルトン対井上 フルトンに8回TKO勝ちし、駆け出す井上尚(撮影・鈴木みどり)
8回、フルトンをTKOで破り、雄たけびを上げる井上(撮影・菅敏)
8回、フルトンをTKOで破り、雄たけびを上げる井上(撮影・菅敏)
フルトンに8回TKO勝ちし、コーナーに登りガッツポーズする井上(撮影・鈴木みどり)
フルトンに8回TKO勝ちし、コーナーに登りガッツポーズする井上(撮影・鈴木みどり)

試合後

新王者となり2本のベルトを肩にかける井上(撮影・滝沢徹郎)
新王者となり2本のベルトを肩にかける井上(撮影・滝沢徹郎)
新王者となった井上(左)は対戦が決まったタパレスと話す(撮影・滝沢徹郎)
新王者となった井上(左)は対戦が決まったタパレスと話す(撮影・滝沢徹郎)
WBC、WBO世界スーパーバンタム級新王者の井上(右)は試合後、WBAスーパー、IBF世界スーパーバンタム級王者のタパレスと記念撮影(撮影・鈴木みどり)
WBC、WBO世界スーパーバンタム級新王者の井上(右)は試合後、WBAスーパー、IBF世界スーパーバンタム級王者のタパレスと記念撮影(撮影・鈴木みどり)
スティーブン・フルトンを破り、ベルトを肩に勝ち名乗りを受ける井上(撮影・菅敏)
スティーブン・フルトンを破り、ベルトを肩に勝ち名乗りを受ける井上(撮影・菅敏)
WBC、WBO世界スーパーバンタム級新王者の井上尚(中央)は、父真吾トレーナー(左)、弟拓真と記念撮影(撮影・鈴木みどり)
WBC、WBO世界スーパーバンタム級新王者の井上尚(中央)は、父真吾トレーナー(左)、弟拓真と記念撮影(撮影・鈴木みどり)

井上尚弥、強い強すぎる!8回TKO勝ちで4階級制覇「モンスター」「えげつない」SNS称賛

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WBO世界フェザー級タイトルマッチ


ラミレス5回
TKO
×清水聡


試合経過

1回

サウスポー同士の対戦。開始早々、身長で15㌢上回る清水が長い距離からワンツーをはなつ。ラミレスは高いガードで清水のパンチをブロック。ラミレスは時折飛び込んでの連打。中盤に王者の左アッパー、左フックが決まる。終盤にも王者の左アッパーがクリーンヒット

<日刊採点 ラミレス10-9>

入場する清水(撮影・滝沢徹郎)
入場する清水(撮影・滝沢徹郎)
1回、ラミレス(左)の左フックを受ける清水(撮影・菅敏)
1回、ラミレス(左)の左フックを受ける清水(撮影・菅敏)

2回

清水がワンツーをふるって前に出る。すぐにラミレスの下からはね上げるような左アッパーがクリーンヒット。清水の目が腫れ始める。中盤に清水の左ストレートがヒットするが、ラミレスも連打で反撃。終盤はラミレスの右フックが顔面からボディーに決まる。

<日刊採点 ラミレス10-9>


3回

清水が開始から左ジャブを多用する。50秒すぎに王者の右フックが当たる。1分すぎにラミレスの左強打が決まり、清水が頭を下げる。中盤はラミレスが接近戦から左フックを決めたが、残り1分、清水の左ストレートがクリーンヒット。終盤はラミレスの手数が減る。

<日刊採点 ラミレス10-9>

3回、ラミレス(手前)の左フックを受ける清水(撮影・菅敏)
3回、ラミレス(手前)の左フックを受ける清水(撮影・菅敏)

4回

ラミレスが開始から連打を放ちながら前に出る。清水も前に出るが左アッパーを食う。それでも清水は前に出ながらワンツー。中盤は再びラミレスが接近戦から左右アッパーを決めるが、清水も前に出ながらパンチを返す。2分すぎにラミレスが清水をロープに詰めて連打。

<日刊採点 ラミレス10-9>


5回

清水は前に出てジャブを突くが、ラミレスは高いガードでブロック。40秒すぎにラミレスの強烈な左アッパーの連打で清水がダウン。立ち上がったが、再開後にラミレスが再び連打でラッシュ。清水が防戦一方になったところでレフェリーがストップした。

5回、清水(左)はラミレスのパンチを浴びてTKO負けを喫する(撮影・滝沢徹郎)
5回、清水(左)はラミレスのパンチを浴びてTKO負けを喫する(撮影・滝沢徹郎)
5回、清水はラミレスにTKO負けする(撮影・滝沢徹郎)
5回、清水はラミレスにTKO負けする(撮影・滝沢徹郎)
5回、KOでラミレス(左)に敗れ、肩を落とす清水(撮影・菅敏)
5回、KOでラミレス(左)に敗れ、肩を落とす清水(撮影・菅敏)
5回、清水(中央)はラミレスにTKO負けする(撮影・滝沢徹郎)
5回、清水(中央)はラミレスにTKO負けする(撮影・滝沢徹郎)
試合後、TKO負けした清水(右)はラミレスと握手をかわす(撮影・滝沢徹郎)
試合後、TKO負けした清水(右)はラミレスと握手をかわす(撮影・滝沢徹郎)


美しきラウンドガール集結

井上尚弥-フルトンに、明石家サンタガール、ミスヤングマガジンなど美しきラウンドガール集結

リングを彩るランドガールの日南まみ(撮影・菅敏)
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リングを彩るランドガールの吉澤遥奈(撮影・菅敏)
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