強すぎるモンスターの新たな標的に“前人未到の世界記録”が浮上した。プロボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31=大橋)の一夜明け会見が4日、横浜市内で行われた。元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(37=アイルランド)との防衛戦(3日、東京・有明アリーナ)に7回TKO勝利を収めて世界戦23連勝とした井上に、大橋秀行会長(59)は“不滅の記録”といわれる26連勝の更新を期待した。
◇ ◇ ◇
4団体統一王者として2度目の防衛戦を圧勝KOで決着させた。それでも井上は手綱を緩めようとしなかった。「気持ちを切らさずに、もう少し高めていきたい。まだまだやれることがある」。4階級制覇、2階級での世界4団体王座統一、日本人最多世界戦23勝……数々の歴史的偉業にもまだ満足していなかった。
無敵王者にはドヘニー戦前から、次の舞台が計画されていた。次期防衛戦は12月に首都圏で予定され、来年は米ラスベガス再進出も構想されている。「米国の試合は12月の試合をクリアしてから決まる。その時を楽しみにしている」(井上)。強すぎるがゆえにフェザー級での5階級制覇挑戦の期待も高まっている。
そんな無敵王者に大橋会長が新たな標的を口にした。「26連勝で世界記録に到達する。あと3つ。これはすごいこと。ジョー・ルイス、メイウェザーの記録だから」。ドヘニー戦の勝利で世界戦23連勝として歴代単独5位に浮上した愛弟子に、前人未到の世界新記録を期待した。
世界戦26連勝は25度の史上最多防衛記録を誇る元世界ヘビー級王者ジョー・ルイスと、90~2010年代に黄金時代を築いた元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(ともに米国)の2人の伝説的ボクサーの「不滅の記録」。大橋会長はそんな歴史への挑戦も井上に期待した。
次戦へ向けて「精神的なものをリセットして新たな気持ちで臨む」ために、2週間ほど休んで練習を再開する。年間3試合の短いスパンでの試合が続くが「ボクシングが好きなので、このスパンでやるのは楽しいし、うれしい。試合を通して成長できる。そこもプラス」と井上。12月の防衛戦を成功させ、来年3連勝すれば27連勝の世界新記録が誕生する。5階級制覇とのダブル快挙で実現させてしまいそうだ。【首藤正徳】

