前日本フライ級王者飯村樹輝弥(27=角海老宝石)がアジア王座を獲得した。

セミファイナルの東洋太平洋同級王座決定戦で、同級4位として、世界ランカーの同級1位ローレンス・ドゥヤムAG(26=フィリピン)と拳を交え、3-0の判定勝利を収めた。

6回に右目上を切り裂かれ、流血しながらも冷静に右ストレート、左フックをヒットさせて主導権を握り続けた。激しい打ち合いを制して新王者となった飯村は「内容は物足りない悔しさもあるが、新たな日本王座とは違うベルトだと思う」と感慨深げに東洋太平洋王座をみつめた。

昨年8月、日本同級王座の初防衛戦直前に真成美夫人との間に長女・望杏(のあ)ちゃんが誕生した。同夫人は飯村の公私にわたるトレーナーも務めつつ、育児もする立場に。元アマボクサーの妻から技術面や精神面などのアドバイスを受け、今回も試合セコンドに入ってもらった。

望杏ちゃんも初めて自らの試合応援に来たこともあり、パパとしてアジア王者になる姿をみせるために負けられない一戦だった。飯村は「入場の時から込み上げてくるものがありました。奥さんも自分の家族もサポートと良い環境をつくってくれた。娘がいる中で勝ててよかった。家族に感謝したい」と感極まった涙を流した。

IBF12位、WBO13位に入るドゥマムAGを撃破したことで、待望の世界ランキングも確実となる。飯村は「相手が世界ランカーだったが、25年は『世界』とは言わず、1戦1戦を確実に勝っていき、世界タイトルに食い込んでいけたら。これまでの過程が自分を強くしてくれた」と気持ちを高揚させていた。