プロボクシングWBA世界バンタム級王者の堤聖也(29=角海老宝石)が、歴戦の激闘で蓄積した心身の疲労を癒やして、さらに上を目指す。24日に元WBC世界フライ級王者比嘉大吾(29=志成)と壮絶な打撃戦の末に引き分けて初防衛に成功。一夜明けた25日、都内で会見に臨み「強くなるために、いったん休みたい」と小休止を希望した。

前夜の激闘を物語るように、堤の右目の上には大きな、ばんそうこうがはられていた。「何とか生き残ることができて安心はしている。悔しいですけどね」。初防衛成功にも笑顔はなかった。4年4カ月前の試合で引き分けていた比嘉との世界王座を賭けた再戦は、白熱したダウンの応酬の打撃戦になったが、またしても決着がつかなかった。

4回終盤に右目上をバッティングで深く切った。流血で視界をさえぎられる中で打ち合い、自らも被弾して9回には初のダウンも喫した。「(負傷の影響で)いつストップされるか分からないので、ポイントを取っておこうと思ったけど、できなかった。終盤はいつものようなボクシングができたが、序盤、中盤に(ポイントを)取られすぎてドローになった」。

判定で世界王座を奪取した昨年10月の井上拓真戦(大橋)に続いて、12ラウンドをフルに打ち合った。心身にダメージと疲労が蓄積している。現在、バンタム級は4団体すべて日本人の世界王者が君臨している。これから始まる“バンタム級ウォーズ”に勝ち抜くために「強くなるために、いったん休みたい」と、まずは心身を癒やしてリフレッシュする。【首藤正徳】