プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が14日、名古屋・IGアリーナでWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン))との防衛戦に臨む。
井上、所属ジムの大橋秀行会長(60)が「キャリア最大の強敵」と強く警戒してきたアフマダリエフは23年4月、プロ唯一の黒星を喫している。その理由についてアフマダリエフは来日後、明かしている。
9月1日、横浜市内での公開練習の時に当時を回想した。WBAスーパー、IBF世界同級統一王者としてIBFの指名挑戦者だったマーロン・タパレス(フィリピン)との防衛戦に臨んだが、1-2の僅差判定負けを喫した。
アフマダリエフは「タパレス戦の時、けががありました。前の試合の左手首骨折の影響が残っていた。怪我していたのは事実。2ラウンドで不利になったが、善戦はしたと思っている」と説明した。
タパレスに負けて王座陥落し、4団体統一も、そして井上との対戦も一気に遠のいた。その後、再起戦で組まれたWBA世界同級挑戦者決定戦に勝利しWBA1位に。24年12月にはWBA世界同級暫定王座決定戦の機会を得て勝利。5月の前哨戦を経て3連続KO勝利で井上との対決にたどり着いた。WBAから井上との対戦指令が出ていたが、4団体統一王者の井上は他団体からの指名試合などをこなさなければならず、1度負けたアフマダリエフは順番を待たなくてはならなかった。
自身の黒星後のカードを考慮すれば、WBAに厚遇されていた。しかし胸にある自信なのだろう。「(井上は)逃げていた、避けていた。それは事実。彼本人なのか、チームの考え方なのかは分からないが、2年間延び延びになっていた。私との対決を避けていたと思う。今としてはようやく対戦が実現できて、うれしいと思っている」と少し挑発的な発言も目立った。
今は左手首骨折の影響はないと強調する。12日の公式会見では、母国の風習&伝統に沿って尊敬する相手に敬意を表するため、井上陣営に民族衣装チャパンを贈呈した。アフマダリエフは「他の選手にもプレゼントしたことはある。ただ選手以外の陣営に贈ったのは初めてだ」と明かした。井上戦が自身のキャリアにとってもっとも重要なファイトであることを証明する言動だった。
15年の世界選手権で銀メダル、そして16年リオデジャネイロ・オリンピックで銅メダルを獲得(いずれもバンタム級)。プロでも8戦目の20年1月、WBAスーパー、IBF世界スーパーバンタム級王座を獲得している。アマでもトップ級、そしてプロでも2団体統一王者に上り詰めたアフマダリエフ。5月に井上との対戦に備えた前哨戦で勝利後、約1カ月間だけ母国に戻って夫人、息子、両親と過ごし、すぐに米国入り。今回も試合3週間前に来日して時差調整。自身がキッチンに立って自炊もしながら減量した。
井上戦に懸ける意気込みは強い。計量クリア後、アフマファリエフは「井上はとても良いコンディションに見える。自分も仕上がっている。2人とも良いコンディションだ」と不敵な笑み。待望の4団体統一王座挑戦に向けて気持ちを高揚させている。

