新関脇の照ノ富士(23=伊勢ケ浜)が、自身初の2桁勝利を挙げた。東前頭5枚目豊ノ島(31)をきめ出して10勝目。新三役としては横綱白鵬(30)が記録した05年初場所以来10年ぶり、新三役の関脇となれば53年初場所の朝潮以来、62年ぶりの2桁勝利となった。今日13日目は、34度目の優勝がかかる全勝の白鵬に挑む。
取組後の支度部屋。白鵬の勝利を見届けた照ノ富士は「明日の懸賞は何本?」とちゃめっけたっぷりに言った。10勝2敗。自身初の2桁勝利には「うれしい」と素直に喜んだが「(取りこぼしが)あるじゃないすか! 2つもある」と大関を破ってなお、言い放った。
3連敗中だった豊ノ島は、ものともしなかった。「背が低いし柔らかい。やりにくい」と苦手を口にしていたが、立ち合いでもろ差しを許すも抱え込んで電車道できめ出し。軍配に気づかず、投げ飛ばす豪快さで完勝した。「(腕が)入って決まったと思って、一発持って行くか、って。(体勢の想定も)ありました。今までの4回もそうだったんで」と冷静だった。
新三役での2桁勝利は、05年初場所の白鵬以来。記録ずくめの快進撃で、人気もうなぎ上りだ。売店では、ご当地力士の勢に次ぐ人気でキャラクター入りマグネットが完売。絵馬型ストラップが急きょ製作され、この日から店頭に並んだ。
これまで横綱に1度も勝ったことがない。白鵬の父ムンフバトさんの勧めで相撲に出会った。「勝って恩返ししたい。今場所中にね」。そのチャンスは巡ってきた。負ければ白鵬の優勝が決まる大一番だ。12日目終了時点で2差からの逆転優勝は、過去に佐田の山、千代大海、朝青龍の3人のみ。「緊張はない。力を全部出して頑張ります」。今場所一番の熱視線が、土俵に集まる。【桑原亮】

