初の綱とりに挑む大関豪栄道(30=境川)が、手痛い初黒星を喫した。小結玉鷲に突き落としで敗れ、初優勝した秋場所初日から続いていた連勝も「20」でストップした。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、6日目までに敗れながら綱とりを成就させた大関は31人中14人。気持ちを切り替え、集中するしかない。

 口から、鮮血が2滴落ちた。支度部屋のテレビモニター前。息を荒らげた豪栄道が、腰に手を当てVTRを見つめた。土俵で打った額の皮はそげ、食いしばった歯でかんだ唇の内側は切れていた。激闘の末に喫した今場所初黒星。「立ち合いが軽かった。もっと踏み込まなきゃだめ」。先場所からの連勝も「20」で止まった。

 今場所初めて、守勢に回った。頭から強烈にぶちかましてきた玉鷲の突っ張りで、体を起こされた。我慢しきれず、引いてしまう。俵を伝って何とか回り込み、振り返った相手と一瞬見合う。舌打ちして悔やんだのは、そこだった。「あそこがね。もっと早く攻めれば良かった」。攻め返して前に出たが、土俵際で粘る玉鷲に突き落とされた。

 大目標へ、手痛い1敗だ。ただ、15日制が定着した49年夏以降、6日目までに敗れて綱とりを成就させた大関は31人中14人いる。4日目に敗れた大鵬、初日に敗れた千代の富士も、気持ちを切らすことなく綱をつかんだ。師匠で九州場所担当部長の境川親方(元小結両国)は「引きずらないように。また明日から」と言った。豪栄道も「悔しいけど仕方ない。また明日からですよ」。結びで白鵬も遠藤に苦杯をなめて、優勝争いは混戦ムード。集中して仕切り直す。【木村有三】

 ◆6日目までに1敗以上して綱とりに成功 49年夏以降に誕生した31人の横綱のうち、鏡里<1>、栃錦<1>、朝汐<2>、柏戸<1>、大鵬<4>、栃ノ海<1>、玉の海<6>、北の富士<6>、三重ノ海<1>、千代の富士<1>、旭富士<3>、若乃花(3代目)<4>、武蔵丸<6>、鶴竜<3>の14人。※<>内は綱とり場所で1敗目を喫した日。