3横綱連破という圧倒的強さはどこへやら…。大関稀勢の里(30=田子ノ浦)が平幕の栃ノ心(29=春日野)に敗れ、ファンが待ち望む逆転優勝の夢は、大きくしぼんだ。

 その強さは万人が認めるところ。期待の大きさと、裏切られたときの反動の大きさも、ファン心理をくすぐるのか。協会トップの八角理事長(53=元横綱北勝海)は「だからファンも多いんでしょう。何とか頑張ってほしい、努力して(チャンスを)つかんで欲しいというファンの心理というか」と察した。審判部の二所ノ関部長(元大関若嶋津)も「上を狙ってほしいし、それだけの素質があるんだから。(宿舎に)帰って四股を踏みなさい、ということ」と、もどかしそうだった。