大相撲の新大関栃ノ心(30=春日野)が七夕の7日、今日8日に初日を迎える名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)の土俵祭に参加し、短冊に「優勝できますように」と願いを書いた。ジョージア出身とあって「優」の漢字の中にある「心」が抜ける誤字だったが笑い飛ばした。心技体の技と体は準備万全。何度も「気合」と繰り返し、あとは「心」を整え、平成以降では栃東、白鵬に続く3人目の新大関優勝を狙う。

 栃ノ心のしこ名にも入っている「心」がなかった。七夕に行われた土俵祭に合わせ、この日から会場の正面入り口には、関取衆の願いが書かれた短冊が飾られた。土俵祭前には関取衆を代表し、栃ノ心と御嶽海が並んで写真撮影に応じた。栃ノ心の手には「優勝できますように」と短い言葉の中に、力強い決意を表明した短冊。だが「優」の文字の中にあるはずの「心」が抜けていた。それを指摘された当の本人は「ワッハッハ」と笑い飛ばしていた。

 日常会話には支障のないジョージア出身の栃ノ心だが、特に「優」のように画数の多い漢字を書くのは、得意とはいえない。そこで所属する春日野部屋の部屋付きの岩友親方(元前頭木村山)が、要望に応じて手本を書いていた。岩友親方は胸を指すジェスチャーを交えて「本人が心はここにあると言っていた。短冊では足りなかった文字と合わせて優勝ということです」と、本人は知ってか知らずか、美談にまとめ上げた。

 大関として心技体が求められる地位となるが「(痛めていた右の)手首は良くなったし、体の状態もいいので、あとは気持ち。気合ですよ」と、残るは「心」と力説した。大関として初めて臨んだ土俵祭は「いつもと違ってドキドキした」と、まだ「心」に課題が残っていることは自覚。「集中して優勝するつもりでやる」。平成以降では02年初場所の栃東、06年夏場所の白鵬以来、12年ぶりの新大関優勝へのカギは「心」と知っている。【高田文太】