三段目は、西39枚目の唐津海(30=玉ノ井)が7戦全勝で昨年夏場所以来、3度目の優勝を果たした。

ここまで6戦全勝で3人が並んでいたが、琴宮倉(21=佐渡ケ嶽)が序二段で全勝だった狼雅(20=二子山)に敗北。直接対決の太一山(21=千賀ノ浦)との勝者が優勝決定の一番となり、突き放しから距離を取り、勝機を見逃さず右から強烈に突き落とし、優勝を決めた。

今場所好調の要因は「土俵際で残れたこと」。1番相撲では土俵際にいっぺんに持って行かれたが「残れたのが(場所を通じて)良かった」と振り返った。土俵生活も16年目に入った。10年初場所の序二段を含めれば、各段優勝は4度目。この1年で2度の三段目優勝に、関係者からは「また優勝しちゃったな」と手荒い言葉で? 祝福された。

来場所は再び幕下に上がることから唐津海本人も「また(幕下に)戻っちゃう。ボコボコにされそうで怖い」と言って周囲の爆笑を誘うなど、周囲を和やかにする“癒やし系”力士といえそうだ。

新弟子が半年間、通う両国国技館内にある相撲教習所では、稽古場の教官を約4年前から務める。「教える立場として(本場所で対戦する時は)若い力士に負けられないなという気持ちが半分。その半面、勝ったらかわいそうだなと思う」と気は優しくて力持ちを地で行く。

最高位は8年前の11年九州場所での西幕下12枚目。今後の目標は「教官として教える立場上、幕下や三段目ぐらいじゃないと『何だコイツ』と思われるから」と現状の地位を維持すること。「その中でチャンスがあれば」と殊勝に目標を口にしていた。