近大相撲部監督で1月18日に急死した伊東勝人氏(享年55)のお別れの会が22日、大阪市内のホテルで約400人が出席して行われた。角界からは初場所で平幕優勝を飾った同大OBの徳勝龍(33=木瀬)や、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)鳴戸親方(元大関琴欧洲)相撲解説者の舞の海秀平氏らが出席、故人に別れを告げた。

優しく笑う伊東さんの遺影を前に、徳勝龍は涙を浮かべて献花した。「いろんな思いがこみ上げてきて…。お通夜もお葬式も場所中で行けず、本当は監督の顔を見て、しっかり話をしたかったですけど…ここに来られて良かったです」。

明徳義塾高3年の時、真っ先に声を掛けてくれたのが伊東さん。「自分でも必要としてくれる人がいる。この人のために4年間頑張ろう」と決意し、近大で力をつけ、プロの世界に飛び込んだ。強く覚えているのは、卒業前の進路相談などで伊東さんが「俺もプロに行きたかったなあ」とぼそっとつぶやく姿だ。

しこ名の徳勝龍の「勝」は、木瀬親方(元前頭)が命名時に伊東さんの名前をもらって入れてくれた。「僕が勝手に思っていたことですが(伊東さんが)自分のおやじならいいなと。何でも話せて、監督と生徒なのに、僕を一社会人として見てくれていた。本当に感謝しかないし、監督がいなかったら今の僕はないです」。初場所は天国から背中を押してもらい、初優勝した。迫り来る春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)へ。「天国でゆっくり寝ながら見ていてください」。あらためて「勝」の字に恥じない奮闘を誓った。