大相撲の大関貴景勝(24=常盤山)が1日、綱とりに挑む初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)に向けて始動した。18年九州場所以来2度目の優勝を果たした11月場所後、都内の部屋で稽古を再開。四股やすり足などの基礎運動で汗を流し「体もそんなに落ちてない。いいスタートが切れている」と手応えを口にした。

場所後の1週間は心身の休養にあて、11月29日の「いい肉の日」は焼き肉を食べて英気を養った。18日から両国国技館内の相撲教習所で行われる合同稽古の参加にも意欲。「できる環境で一生懸命やれたら。あまり深く考えず、伸び伸びやりたい」と話した。

突き押し相撲一本で横綱を目指す思いも語った。「自分は押し相撲しかない。小さい頃から目指してきたもので頂点に、横綱になりたい」。身長175センチと力士としては小柄で、四つ相撲は不向きと自覚している。押し相撲だけで最高位に上り詰めれば異例となるだけに「自分でその可能性を止めてしまったら一生そこで終わり。無理って言われているから、やりがいを感じている部分もある」。強い反骨心が、貴景勝を支えている。【佐藤礼征】