綱とりの大関貴景勝(27=常盤山)が好スタートを切った。成績次第で横綱昇進の可能性がある中、小結北勝富士を押し出して白星発進した。過去2度の綱とりでは初日に黒星を喫して出はなをくじかれたが、三度目の正直を果たすべく上々の船出となった。霧島は宇良を寄り倒しで下し、豊昇龍は正代を突き出しで退け、3大関はいずれも初日から白星を挙げた。

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鬼門の初日もなんの。綱とりの大関貴景勝が、過去の幕内対戦成績では13勝11敗と拮抗(きっこう)していた北勝富士を圧倒した。立ち合いから力強く頭で当たって先手を取ると、そのまま一気の攻めで冷静に押し出した。場所前に首の違和感を訴えて調整が心配されていたが、それを一切感じさせなかった。「いつもどおり変わらず、自分がどうしていくかだけを考えた」と淡々と振り返った。

年6場所制が定着した1958年(昭33)以降に誕生した初代若乃花から始まる横綱29人のうち、綱とり場所で白星発進をしたのは25人に上る。21年初、今年の春と過去2度の綱とり場所では初日に早々と敗れ、けがで途中休場を余儀なくされた。勝負の3度目。先場所敗れた北勝富士に勝利を収め、快調な滑り出しを見せた。

先場所は11勝4敗で優勝したが、これは1場所15日制が定着した1949年(昭24)夏場所以降では4例目となる最少の白星。昇進問題を預かる日本相撲協会審判部も現時点で綱とりに関して明言は避けているが、全勝や14勝などのハイレベルの優勝を果たせば、機運は高まってくるはずだ。

残る14日間。先は長いが「やってきたことだけを発揮しようと思っている。きょう一生懸命にやった人だけが次に進める。その日の相撲をやり切るだけ」。好発進も油断はない。見据えるはるか先へ、負けられない戦いが続く。【平山連】

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