武蔵府中が関東連盟代表同士の決勝で海老名を6-4で破り、21年ぶり2度目の日本一を手にした。序盤から優位に試合を進め、5回までに小刻みに6点を奪い、先発小田基生(3年橋湊(3年)への継投で粘る海老名を振り切った。4連覇を目指した世田谷西は準決勝で海老名に屈して3位。関東連盟代表はベスト8に6チームが進出する活躍を見せた。
▶準々決勝
世田谷西(関東)8-0 大宮(関東)
海老名(関東) 10-1 上尾(関東)
京都(関西) 3-1 中野(信越)
武蔵府中(関東) 7-0 足利(関東)
▶準決勝
海老名 6-5 世田谷西
武蔵府中 8-2 京都
▶決勝
海老名 100 021 0=4
武蔵府中 120 210 X=6
【海】長瀬、加藤、中市-富永【武】小田、髙橋湊-江川[三]福角、佐野(海)[二]竹原(武)
武蔵府中が念願の日本一に輝いた。決勝1回表に先発小田が3安打で1点を奪われたが、なおも2死満塁のピンチを切り抜けた。その裏、1死一、三塁から併殺崩れで同点。2回に2安打に2四死球を絡めて2点を勝ち越した。4回には2死二、三塁で2番竹原廉人(3年)が右翼線に2点適時二塁打を放って5-1と突き放した。2点差に迫られた5回にも1点を加えるなど小刻みに加点。小田―高橋湊の継投で逃げ切った。
マウンド付近では、05年以来の日本一に武蔵府中ナインの歓喜の輪ができた。就任4年目の武蔵府中・小川紀輝監督は「21年前、私は中学1年生で3年生が日本一になるところを見ていました。武蔵府中はそういう(日本一になれる)チームなのだと思って、21年が経ってしまいました」と喜びをかみしめた。
2回戦で優勝候補取手をタイブレークで破って波に乗った。準々決勝で足利をコールドで下し、準決勝、決勝では大会最優秀選手を受賞した小田が先発で試合をつくり、高橋湊が締める継投。チームカラーの「守って走る」を選手たちが最後まで貫いた。
小田は「春は腰を痛めてチームに迷惑をかけたので、ここで活躍できてよかった」と笑顔を見せた。中堅手でウイニングボールをキャッチした高野煌大主将(3年)は「ホントうれしいです。頼りないキャプテンについてきてくれて、みんなにありがとうと言いたいです」と振り返った。【赤坂厚】
武蔵府中・小泉隆幸総監督(05年優勝時の監督)「自分の教え子が日本一になってくれたことが本当にうれしい。てっぺんを取るのは簡単ではありません」
武蔵府中・竹原廉人(3年、決勝で2点適時二塁打)「自分の持ち味のミート力や足の速さを披露できたのがよかった」
【大会直前の合宿…厳しい言葉を受け取るタイミング】
春季関東大会3位も、夏季関東大会は5回戦で敗れ、代表決定戦に回った。直後のジャイアンツカップ予選は勝ち抜いたが、チーム状態はどん底。はい上がったきっかけは大会直前に行った2泊3日の合宿だった。「当たり前のことを見直す時間にしました」(小川監督)。あいさつなど生活面から、ベースカバーや犠打、進塁打など見落とされがちな「約束」を確認した。
「わがままなメンバーなので(笑い)厳しい言葉も投げかけました。2年生だと理解できない。3年生の今だから受け止められたと思います」。保護者にも体調管理の徹底を要望した。普段は柔和な笑みを浮かべる指導者の強い言葉と、寝食をともにする濃密な時間。最後の夏の特効薬になった。【久我悟】
◆表彰選手◆
【最優秀選手】小田基生(武蔵府中)
【敢闘賞】金城奏(海老名)
【優秀選手】髙橋湊(武蔵府中)、渡部快斗(同)、河内憲佑(海老名)、高須龍生(京都)、松井爽馬(同)、登石幹大(世田谷西)、野尻倖希(同)
【ベストナイン】投手・加藤哲哉(海老名)、捕手・江川颯生(武蔵府中)、一塁手・田原怜(京都)、二塁手・小畑晴道(武蔵府中)、三塁手・宮本一輝(世田谷西)、遊撃手・松本凌太(海老名)、外野手・太田恭伍(武蔵府中)、福角翔太(海老名)、高野煌大(武蔵府中)

