日本テレビ系で13日にスタートした「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(水曜午後10時)に主演する菅野美穂(43)を取材した。菅野にとって、連ドラへの出演は16年のTBS系「砂の塔 知りすぎた隣人」以来4年ぶりで40代で初めて。日テレの連ドラへの主演は10年「曲げられない女」以来、実に11年ぶり。「探り探りの感じだったんですけど、ちょっとずつ、あぁ、こういう感じかなというのをつかめてきている感じがします」と語る中、特に期待を寄せていたのが今回、初めて実現した脚本家・北川悦吏子氏とのタッグだ。

菅野は「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」で、恋愛小説家でシングルマザーの水無瀬碧を演じる。初共演の浜辺美波(20)演じるオタクの娘・空との関係性は、母と娘でありながら友人のようだ。菅野は「北川さんとは初めてなんですけど、心にいつまでも残るようなせりふとか、いつまでも頭に残るような1シーンとか、人の心に残る作品をたくさん書いておられる」と、以前から北川氏の脚本、作品をリスペクトしていたと明かした。

その上で「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」における、北川氏の脚本作りの一端を明かした。

「北川さんは今回、キャストの皆さんとZoomで会議されていて、その人の“何か”というのを、北川さんの中で膨らませて役に投影してくださっている気がして。それが、すごく分かる脚本なので大事に演じたいと思う」

北川氏といえば、恋愛ドラマや映画を数多く手掛け「恋愛の神様」と評される。特に“盟友”とも言われる中山美穂を起用した作品への評価が高い。01年のTBS系「Love Story」では、豊川悦司演じる2年も新作を発表していない恋愛小説家と、中山演じる契約編集者を描いた。監督と脚本を手掛けた12年の映画「新しい靴を買わなくちゃ」でも、中山演じるフリーライターのアオイと、向井理が演じた観光でパリに来たカメラマンのセンの3日間の恋を描いている。

菅野は「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」について「『Love Story』の中山美穂さんみたいに全然ならなくて…当たり前だけど。北川さんの世界観って、こういう感じだったっけな? 大丈夫かな、私? みたいな」と笑いながら口にした。そこで「大丈夫か?」と口にした真意を、さらに聞いてみた。

「北川さんの持っていらっしゃる、かわいらしい世界観(が展開されている)。完パケ(完成した映像)をご覧になって、ビックリされないかな? と思うんですけど…NHK連続テレビ小説『半分、青い。』に近い世界観なのかなぁ? ちょっとホームドラマっぽい要素もあるし」

菅野は、「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」に、18年のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」のテイストに近い、軽やかなコメディーのにおいを感じているようだ。

第1話では、碧が続編と映像化を期待した初ミステリー小説の連載を打ち切られ、新しく担当についたイケメン編集者から久々に恋愛小説を発注されたが、恋愛から遠ざかっていて書けないと自信を失う。そんな中、街中でイケメンと出会った空から、創作、執筆のために恋をするからネタにするよう提案を受ける。そんな碧が整体院に行き、治療を受けた整体師の渉(東啓介)と出会う。自身の小説のファンだという渉に、碧は胸をときめかせるが、何と渉は、空も気になったイケメン。図らずも母娘の恋愛バトルに発展しそう…という展開で終わった。

第1話の平均視聴率は10・3%(関東地区世帯、ビデオリサーチ調べ)と2ケタ発進した。菅野は「今回の作品は、出会いというか、本当に北川さんからインスピレーションをすごくいただいているし…それは浜辺さんからも一緒で、掛け合いの中で。おふたりは、今の私のミューズです」と笑みを浮かべた。菅野×浜辺×北川の“化学反応”を期待したい。【村上幸将】