6日に首都ワシントンDCで起きた連邦議会議事堂乱入事件を受けて、ツイッターの個人アカウントが永久停止されたトランプ米大統領(74)が、自身を支持する右派勢力に人気のSNSパーラーに「PersonX」のアカウント名で登録しようとしていたことが明らかになった。

議事堂乱入事件後、パーラー上では暴力を推奨する投稿が多く見られ、そのすべてが利用規約に反しているとしてサービスの停止措置に踏み切ったアマゾンを、独占禁止法違反で提訴したパーラーのジョン・マッツェCEOが、裁判所に提出した書類で明かしたもの。同CEOは、アマゾンは少なくとも昨年10月からトランプ氏がパーラーへの登録を検討していることを知っており、それに伴ってパーラーを利用する支持者が増えることは想定できたと反論。サービス提供停止は、トランプ氏をSNSのプラットフォームから追い出すことが狙いだと主張している。

トランプ氏はツイッターだけでなく、スナップチャットのアカウントも永久停止されたほか、フェイスブック、インスタグラム、ユーチューブも無期限に停止することを発表している。

これまで支持者に向けてメッセージを発信してきたツイッターの利用を止められたトランプ氏は、比較的マイナーで利用が停止されていないパーラーやGab(ギャブ)に登録しようとしたが、娘婿で大統領上級顧問のクシュナー氏に止められたと、ブルームバーグニュースが関係者の話として伝えている。クシュナー氏は、これらのサイトはきちんと運営されて膨大なアクセス量を処理することは難しいと思うと主張し、最終的にSNS担当責任者のスカビノ氏が思いとどまるよう説得したと伝えている。

パーラーはアマゾンだけでなく、アップルとグーグルでもアプリ配信を停止されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)