政界地獄耳

【政界地獄耳】民主党的名残は消えてしまったのか 中道のような中途半端な現実路線理解されない

★今回の中道改革連合の壊滅は立憲民主党が抱えていた民主党的なるものを崩壊させた。政策的にも政治的にも、ここ30年の政治史の中にあった民主党の残滓(ざんし)が消えてしまったのか。民主党政権の最後の野田政権、選挙直前の民進党から希望の党への“排除の論理”付きの立憲民主党との分裂。いずれも党内右派が仕掛けた民主党的なるものを排除するクーデターであったが、失敗に終わっている。結果国民民主党が生まれ、右派を構築、立憲民主党も大きくなるにつれ右派が牛耳ると左派を切りたくなり、今回の結果をもたらした。

★高市政権が生まれ、タカ派戦略が数々と示される中、中道が「現実路線」として原発稼働容認や辺野古容認を示し、立憲の支持層とそれに連携していた社民党、共産党を切り捨て、公明党を選択したことが、民主党的なるものへの反発だとしたら、国民はそんなことに関心すら示さなかったということだ。ことに旧立憲の民主党的なるものを守ってきたベテランリベラル系議員の大量落選は、中道と称してリベラルの旗を捨てた彼らへの落胆だったとすれば説明がつく。その中で高市自民党が「戦争は反対だ。だからこそ国を守るために防衛力強化が必要」と説いたことに多くの世代の国民が賛同したことの分析や整理がつかないのだろうが、その説明に国民が関心を示したこと自体が短絡的ながら国民の本音で、中道のような中途半端な現実路線を敷く政党の理屈が理解されるわけがない。

★では民主党的なるものの終焉(しゅうえん)なのか。最近出た2冊の本を紹介したい。1つは「社会主義都市ニューヨークの誕生」(矢作弘・著 学芸出版社)。ニューヨーク市長・ゾーラン・マムダニの誕生と背景を丁寧に解説している。もう1冊は「民主党史」(奥健太郎・中島政希・編著 ミネルヴァ書房)。近代政治史の中で野党研究を記した。民主党の結党、成長、政権交代、解消を多くの現場の政治家、関係者、党職員、秘書らの証言でまとめている。そこから新たな鼓動が生まれるか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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