★米ドナルド・トランプ大統領は主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)の開催地フランス東部エビアンに到着後、「合意は全て署名済みだ。ご存じの通り、海峡は既に一部開放されている」とし、19日のジュネーブでの署名式には、J・D・バンス副大統領が出席すると述べた。この戦争終結にはいまだ謎が多く、イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領は米国とイランの覚書は戦闘停止に向けた「重要な1歩」だとネットに書き込んだ。ただ、恒久的な停戦に向けた最終合意は「まだ形になっていない」という。

★イランの安保・外交政策の最終意思決定機関である国家安全保障最高評議会(SNSC)は声明で、イランと米国との間で行われてきた「戦争終結交渉についての了解覚書」としている。SNSCは「最終的な合意に向けた交渉は、了解覚書にのっとった双方のコミットメントの履行後に委ねられる」とあり、今後の交渉不調や、停戦破りなど不確定な要素が多い。トランプがいう「通航料なしのホルムズ海峡の開放」についての記述もない。米国との齟齬(そご)がありそうだ。イラン国営通信(IRNA)によれば、「イランは戦争賠償金の支払いの必要性を強調しているが、その実効的な仕組みについては、合意後の60日間の交渉で決まる。イランは、賠償金の受け取りに関する確たる保証を、第三者から得ている」としている。

★16日、元首相・鳩山由紀夫はXなどに「アメリカとイランが戦闘終結に合意したと発表された。覚書の中で一番気になる文言は、米国及び同盟国がイラン復興のために少なくとも3000億ドル(約48兆円)の計画の提示とあることだ。イラン戦争に反対した欧州の国々より、トランプに抱きついていた高市首相の日本が払うことになる懸念だ。絶対に反対だ」と投稿した。米国及び同盟国とは一義的にはイスラエルだろうが、鳩山の懸念も拭い去れないだろう。さしたる理由もない戦争をイスラエルとともに仕掛けた米国に対して世界の中でも寄り添う姿勢を示したのは日本の首相ぐらいだからだ。サミットでもセッションの合間に日米首脳は短時間、懇談したようだが、まさかトランプに「貢献したい」と申し出たのではないか。(K)※敬称略