★首相・高市早苗は国連の演説で「日本は戦後、先人のたゆまぬ努力と多くの国からの善意の手により、今日の平和と繁栄を築いてきた」「『旧敵国条項』について05年には、全加盟国首脳の決意として国連憲章から『敵国』への言及を削除するとの国連総会決議が採択されている。70年間にわたり国連の取組に大きく貢献してきた日本の誇りと名誉にかけて強く申し上げておく」「日本は国連加盟以来70年間、専守防衛の考え方の下、平和国家として国際社会の平和と繁栄に一貫して貢献してきた」と旧敵国条項の削除を訴えた。演説原稿は外務省の丁寧かつ緻密に練られた原稿に首相が筆を入れたという。
★だがその立派な演説も誰が訴えるかで大分聞こえ方が違う。94年10月12日の衆院予算委員会で新人議員・高市は国民的議論がないまま侵略と認定することについて当時の首相・村山富市に「勝手に代表して謝ってもらっちゃ困る」「私たちの過ちによって惨憺(さんたん)たる犠牲を強いられたアジアの隣人たちという言葉を使ったが、具体的にはどの行為を指して侵略行為と考えているか。また首相の言う過ちとは何を指すのか」「首相という地位にある人は、50年前の政権の決定を断罪し、過ちと決める権利があるか」とし、95年3月16日、衆議院外務委員会で「少なくとも私自身は、当事者とは言えない世代ですから、反省なんかしておりませんし、反省を求められるいわれもないと思っております」。当時の外相・河野洋平は「過去の戦争について全く反省もしない…という議員の発言には見解を異にする」と反論している。
★演説での「日本は戦後、先人のたゆまぬ努力と多くの国からの善意の手により」「専守防衛の考え方の下、平和国家として国際社会の平和と繁栄に一貫して貢献」とはどの口が言うのか。“当事者でなく反省なんかしない、求められるいわれもない”という首相でなければ称賛を浴びていたに違いない。そういう人物の演説だと思うと国際社会への聞こえ方もまた格別だ。既に中国は反発を強めている。24日、ホワイトハウスでの夕食会で中国・習近平国家主席は「80年以上前、中米両国人民は肩を並べて日本軍国主義の侵略者と戦った」と5月の首脳会談同様、日本批判を繰り返した。米ドナルド・トランプ大統領はそれを「米中は(当時の)同盟国」とした。首相の30時間訪米は失敗に終わったか。(K)※敬称略


