ローソンと日本出版販売は26日、富山県立山町に本格的な品ぞろえの本屋を併設した「ローソン立山町役場店」をオープンした。町によると、立山町は2015年に町内唯一の本屋が閉店し、書店が一つもない「書店ゼロ」の自治体の一つ。地域住民の利便性向上と集客を図る狙いがある。

立山町の役場敷地内に開店する店舗は午前6時~午後10時の営業で、通常のコンビニで扱う商品に加え、漫画や小説、雑誌など約4000タイトルの本を取りそろえる。店内に地域住民が交流できるスペースも設けた。

オープン初日のこの日は開店時間の午前8時から多くの住民が訪れ、店内に陳列された本に目を通す人の姿もあった。近所に住む無職野島伸一さん(77)は早速新書を購入。これまで本を買う際は隣町まで行っていたといい「これからは少し時間ができた時、気軽に買いに来られるのがうれしい」と笑顔を見せた。

ローソンは14年以降、書店が少ない地域を対象に青森や島根など11県で書店併設型店舗を展開してきた。今回で30店目となる。担当者の日下部昇平さん(37)は「書店のない地域での出店は特に力を入れている。今後も同様の取り組みを全国で進めていきたい」と話した。(共同)