ゴールデンウイーク(GW)が27日、始まった。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行してから間もなく1年。多くの人が外出を控えたコロナ禍の光景は過去のものとなり、各地の駅や空港は行楽地や帰省先へ出かける人たちで混雑した。

コロナ禍で開業直後から昨年7月まで約3年3カ月閉鎖されていた羽田空港第2ターミナルの国際線施設は多くの旅行客であふれた。大学時代の友人とシンガポールへ向かう東京都新宿区の会社員上地里佳さん(26)は「コロナ禍でできなかった卒業旅行をする。ナイトサファリを楽しみたい」と笑顔だった。

円安の動向を気にする人も。日本で働き、台湾へ帰省する女性会社員(42)は「日本へ戻る際の土産代が高くなるのではないかと気になる。いつもより多めにお金を準備してきた」と話した。羽田で取材に応じた全日空の矢沢潤子常務執行役員は「円安の状況でも、皆さん自然を楽しむといった旅の工夫をされるのではないか」と述べた。

JR東京駅の新幹線ホームでは、朝からキャリーケースを引いた家族連れや旅行客で混み合った。今年1月に生まれた長男を連れて兵庫県に帰省する東京都中央区の看護師岡村千穂さん(32)は「コロナを親にうつせないので、まだマスクは外しづらい」と話しつつ「久しぶりに会えるので楽しみ」とほほ笑んだ。

仙台駅でも旅行客が続々と新幹線から降り立った。東京都中央区の工藤亜里さん(53)は親子向けのキャンプイベントに参加する予定。小学6年の長男十和君(11)は「初めての経験で不安もあるけど、たき火を楽しみたい」と声を弾ませた。

航空各社が19日に発表した予約状況(27日~5月6日)によると、国内線は前年とほぼ同じ262万人。国際線は前年比約20%増の49万人だった。

JR旅客6社の11日時点の予約状況(26日~5月6日)は、新幹線と在来線の予約席数が前年比16%増の計296万席で、コロナ禍前の2018年比でも7%増。混雑のピークは下りが5月3日、上りが6日と見込まれている。(共同)