能登半島に位置する石川県羽咋市で31日、国の特別天然記念物トキ8羽が本州で初めて放鳥された。野生のトキは乱獲や環境破壊により国内で絶滅。本州では、能登で最後の1羽が捕獲された1970年以来56年ぶりに野生に戻った。環境省は、2008年から放鳥が進む新潟県の佐渡島以外にも生息地を広げるため、能登の豊かな里山環境を生かし繁殖を目指す。

24年の能登半島地震から6月1日で2年5カ月。石川県は地震と奥能登豪雨の復興計画で、トキの放鳥を「復興のシンボル」に位置付けている。

午後3時半ごろ、澄み切った青空の下、秋篠宮ご夫妻や山野之義知事らが放鳥箱のリボンをカットすると一斉に羽ばたいた。佐渡市の佐渡トキ保護センターから18羽が移送され、31日は識別のため羽にカラフルな色が塗られた1~12歳の8羽が放たれた。残る10羽は仮設ケージで飼育し、2週間ほど周囲の環境に慣らした後、放鳥する。

トキは日本各地に生息していたが、明治時代以降に激減。70年に石川県穴水町で1羽が繁殖のために捕獲され、本州から姿を消した。佐渡島では中国から提供されたペアの繁殖に成功し、野生のトキが500羽前後まで回復している。