トランプ米政権は10日、新たな大統領専用機エアフォースワンに安全保障上の欠陥があると問題視する記事を執筆したニューヨーク・タイムズ紙の複数の記者に対し、15日にニューヨークの連邦大陪審で証言するよう命じる召喚状を出した。召喚状は「連邦法違反の疑いがある」としているが、具体的な根拠は示していない。異例の圧力として同紙が11日報じた。
政権は否定的な報道を「フェイクニュース」と決めつけ、メディアを攻撃している。今回、自宅で連邦捜査官から召喚状を示された記者もいたといい、同紙は「トランプ大統領による報道機関への脅迫や威嚇が異例なほど激化している」と訴えた。
同紙側は声明で「合衆国憲法と、それが保障する報道の自由を信じる米国人の良心を揺るがすもので、恥知らずだ」と非難した。記者らは事実を報道し、税金がどう使われているかを知るという国民の権利に奉仕していると強調した。
召喚状を出したのはニューヨーク州のクレイトン連邦検事で、トランプ氏が次期国家情報長官に指名した人物。
同紙は、カタールから譲り受けた新たな大統領専用機がミサイルへの防御機能を備えていないなどと報道で指摘。連邦捜査局(FBI)の高官が記事を出さないよう要求したという。
政権は6月、イランやベネズエラへの攻撃を巡る報道に関し、ウォールストリート・ジャーナル紙とワシントン・ポスト紙の記者に召喚状を発行。情報源を突き止めようとしたが、両紙が異議を唱え、撤回していた。
トランプ氏は自身に都合の悪い報道をしたメディアに巨額の損害賠償を求めて提訴するなどし、批判を封じ込めるのに躍起になっている。(共同)

