高市早苗首相は30日の自民党臨時役員会で、飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間に限り8%から1%に引き下げる意向を伝えた。減税の正式決定に向け、調整を急ぐよう党幹部に指示した。物価高への対策として、中低所得者向けの現金給付を併せて実施し、税負担を「実質ゼロ」とする。8月上旬に閣議決定し、秋の臨時国会で関連法の成立を目指す。1989年の消費税導入後、税率の引き下げは初めてとなる。

首相は、減税と給付の実質ゼロ案が「最善の方法だ」と説明。「特例公債(赤字国債)に頼ることなく、財源を必ず確保する」との考えを示した。役員会は全会一致で了承した。自民の鈴木俊一幹事長が記者団に明らかにした。

飲食料品の値下がりが見込まれる半面、国と地方合わせて2年間で約10兆円の税収が失われ、社会保障財源に大きな穴があく。首相は代替財源を明確に示しておらず、財政悪化の懸念が高まっている。

首相は2月の衆院選で飲食料品の税率ゼロを掲げた。超党派の社会保障国民会議では、ゼロに下げるとレジのシステム改修に時間を要することが判明。与党は1%への減税方針に転じた。減税と併せて行う給付は、1%分の税収に相当する年6千億円を充てる。

野党は、税率を戻す2年後に事実上の増税となることなどを理由に反対。国民会議は、1%案と野党の主張を併記した「中間取りまとめ」を示し、減税の判断を首相に委ねた。

減税終了後の2029年度には、所得に連動する新たな給付制度を本格導入し、中低所得の勤労者を重点支援する。(共同)