福島県棚倉町のゴルフ場で2022年6月、働いていたプロゴルファー志望の男性研修生(当時19)が自殺したのは上司らによる長時間の叱責などのパワハラが原因だとして、両親は21日、運営会社「棚倉開発」や当時の支配人と先輩に計約1億200万円の損害賠償を求めて福島地裁いわき支部に提訴した。

代理人が記者会見し、白河労働基準監督署(同県白河市)が昨年3月、自殺を労災と認定したことも明らかにした。

訴状によると、男性は高校卒業直後の21年3月に入社。ゴルフ場「棚倉田舎倶楽部」の寮に暮らし、開場の準備やボール拾い、キャディーといった業務をこなした。勤務後にプロテストに向けた練習をしていた。

同年4、5月ごろから当時の支配人と指導係の先輩から「バカ」「家に帰れ」といった暴言や日常的な無視が始まった。自殺するまでの直近3カ月は1時間程度の激しい叱責を週2~3回受けた。時には2時間半に及ぶこともあった。

業務に関する日記で疲労を訴えたが「甘ったれんな」などと他の上司に記された。母親に「怒られすぎて、何に怒られているのか分からない。できない自分が悪い」と疲れた様子で話した。自殺の数日前には日記に「さようなら」と記載。携帯電話に両親へ謝罪する動画を残し、寮内で自殺した。精神障害を発症したとしている。

代理人は記者会見で「スポーツ選手の育成全体に関わる問題だ」と説明。両親は代理人を通じ「息子を思い、毎日後悔している。息子は悪くないと証明したい」とのコメントを出した。

棚倉開発は取材に「コメントを差し控える」と回答した。同社はプロゴルファー石川遼選手の父親が社長を務めている。(共同)