米紙ニューヨーク・タイムズは24日、ウクライナ南部ザポリージャ市で7月、人工知能(AI)によって誘導されたロシア軍の無人機がガソリンスタンドを攻撃し、市民3人が死亡していたと報じた。AI誘導式のロシア軍の無人機攻撃で民間人死者が確認された初の事例の可能性があるとしている。

侵攻を続けるロシアとウクライナはそれぞれ戦闘でAIの活用を進めているが、人権団体は人間が関与しないAI兵器の使用に反対している。国連のグテレス事務総長は自動的に標的を識別して攻撃する「自律型致死兵器システム(LAWS)」の法的拘束力のある国際ルールづくりを促している。

ニューヨーク・タイムズによると、ウクライナ軍や専門家が無人機の残骸を分析した結果、米半導体大手エヌビディアが市販している小型コンピューターが搭載されており、最終的な標的を決定していたことが判明した。ガソリンスタンドに向かうプログラムを設定したのは人間の操縦者だったが、接近後はAIがプロパンタンクを標的として自ら選択した可能性が高いとしている。

無人機は7月6日、壁に衝突して破片をまき散らしながら爆発し、女子大生を含む3人が死亡した。エヌビディア製のチップは暗号化されていなかったため、AIがプロパンタンクなどの標的を認識して攻撃するように訓練されていたことを示すコードの存在が明らかになったという。

ウクライナ軍関係者はAI誘導式の無人機について「脅威だ。数年後には映画『ターミネーター』のような世界になるだろう」と警告した。(共同)