国土交通省は6日、簗和生農相(47)が栃木県内の道路予算をカットしたとの発言に関する調査結果を公表した。簗氏は2月の衆院選後、対立候補を支援した首長がいる2市町の予算配分額に関し、当時の佐々木紀国交副大臣と黒田昌義官房長に照会した。黒田氏は「細かいメモがなく、はっきりと覚えていないが、働きかけや圧力はなかったと思う」と説明したという。佐々木氏は現在首相補佐官を務めている。応援を得た首長の2市町の交付金は増額されたことも判明した。

簗氏も記者会見で「私からの働きかけはない」と否定したが、国民民主党の玉木雄一郎代表は「行政の公平性に関わる。他の地域や予算項目でも同様のことが起きていないのか」と述べ、全省庁の調査を要求した。

簗氏は5月、地元の栃木県大田原市で開かれた非公開の自民党会合で「那須烏山市、那珂川町の道路予算は大幅にカットした」と発言。その理由として「首長が自民党の国会議員は要らないという行動を取った。多くの市民町民がそのような判断をした」と言及した。

衆院選栃木3区は自民公認の簗氏と、自民党籍で無所属の渡辺真太朗氏による保守分裂選挙となり、渡辺氏が当選。簗氏は比例復活だった。

国土交通省の社会資本整備総合交付金のうち、幹線道路やバイパスの整備に充てる予算を比較した。各自治体によると、2026年度の内示額は25年度と比べ、首長が簗氏を応援した那須町は約34%増、那須塩原市は約11%増だった。一方、首長が渡辺氏を支援した那須烏山市は約63%減、那珂川町は約54%減、大田原市は約23%減と、いずれも減額された。

簗氏は自身の発言に関し「党員が集まっている中で、高揚感があり少し誇張した表現をしてしまった」と釈明。自民の萩生田光一幹事長代行は「権力の使い方を間違えてはいけない。今後も説明責任を果たしてもらいたい」と求めた。

民主改革の会の階猛幹事長は「うそを言っている人が閣僚としてふさわしいのか。ますます疑問が膨らんだ」と批判した。(共同)