皇籍離脱した旧宮家の男系男子の養子縁組を可能にする改正皇室典範は、「門地(家柄)による差別」を禁じた憲法14条に違反するなどとして、漫画家の小林よしのりさんが26日、国を相手取り改正皇室典範の無効確認や損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。小林さんは「旧宮家という特殊な階級をつくることで、日本に新たな身分制ができるのは大問題だ」と主張している。

皇族数の確保を目的とした改正皇室典範は7月に成立し、今月24日に施行された。1947年に離脱した旧11宮家の男系男子で、配偶者や子がいない15歳以上を養子に迎えることを可能にした。

訴状などでは、新たな制度は法的・歴史的正統性を有しておらず、「天皇制の本質を掘り崩す」と問題点を強調。安定的な皇位継承策を検討した政府の有識者会議で、憲法学者が「門地による差別に該当する恐れがある」と指摘した点に触れ、国会は会議の報告を受けた2022年1月の時点で、違憲性の疑義を認識したとしている。

提訴後、東京都内で記者会見した小林さんは「男の血だけが尊いという思想に基づいている」と批判。代理人の倉持麟太郎弁護士は、請求が認められるハードルは高いとしつつ、国会での是正が期待できないとして「これしか方法がない」と述べた。(共同)