粘ったけど、完敗だった。将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段が21日、東京・千駄ケ谷の東京将棋会館で行われた第2回上州YAMADAチャレンジ杯準々決勝で三枚堂達也四段(24)に219手の熱戦の末、敗れた。19日に15歳になったばかり。誕生日後の初対局で、公式戦2敗目(31勝)を喫した。次回は24日に大阪市の関西将棋会館で行われる棋聖戦予選、西川慶二七段(55)戦。再起の1勝で連敗阻止を目指す。

 藤井が静かに投了を告げた。15歳になって初の対局。先手の三枚堂にリードを許し、そのまま差を広げられる。負けを受け止めざるを得なかった。

 持ち時間20分、使い切ると1手30秒で指さなければいけない早指し戦。いつも通り、対局前には詰め将棋の本を読んで、「頭の体操」をしていた。対局開始17分前の午後0時43分、先に入室すると、扇子とお茶を取り出す。両手をヒザの上で組んで三枚堂をじっと待っていた。

 対局が始まると、盤に向かって前傾姿勢で手を考える。219手とデビュー戦以来、最も長い手数で粘ったが、いまひとつうまくいかなかった。「終始、自信がなかった。相手の強さを感じた。こっちが先に崩れた。終盤が長かったが、最後に押し切られた」と対局後、悔しさをかみしめ、うなだれていた。