民進党の野田佳彦前首相(60)は29日、細野豪志元環境相が「三権の長を経験されたような方は、やはりご遠慮いただいた方がいいのではないか」と野田氏と菅直人元首相(70)を念頭に「希望の党」への合流を拒否する発言をしたことについて「先に離党していった人(細野氏)の股をくぐる気は全くない」と不快感をあらわにした。

 座右の銘の「素志貫徹」のタスキを着け、いつものように千葉県船橋市の駅前に立った野田氏は報道陣の取材に「小池さんと前原さんが決めることだと思うが、(公認されなかった場合)1人の無所属候補として自民党を倒すために船橋で頑張る」と話した。野田氏は前日の両院議員総会後、「希望の党から出るのか」との問いに「そういうことです。その中に私も入っている」と答えていた。「(韓信の)股くぐり」は「屈辱に耐える」という意味。「素志貫徹」は「志を抱き、懸命になすべきことをなすならば、いかなる困難に出合おうと、道は開ける」という意味。野田政権で環境相を務めた細野氏らに頭を下げてまで公認は求めない考えを示したものだ。

 一方、菅氏は午前中、事務所で報道各社の写真撮影に応じたが、細野氏の発言や「希望の党に公認を求めるか」との質問には答えず、今後の方針を明言しなかった。夜には国会正門前で行われた、脱原発の集会に参加。衆院選に向けて「私なりに筋を通して頑張りたい」と話した。希望との合流には、自身も頭が混乱しているとしながら「日本、世界の原発をなくす。安倍政権を倒す。この2つの原則に従って行動したい」と語った。