サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本対ベルギー戦が行われた3日早朝、東京・渋谷駅前のスクランブル交差点には、初のベスト8進出を逃し、肩を落とすファンであふれた。1次リーグ3試合の終了後は大騒ぎとなっていた同所だが、この日は落胆の様子が目立った。それでも格上相手に大健闘を見せた日本代表をたたえる「お疲れさま」「よくやった」という声も多く聞かれた。

 2点を先制しながら、ベルギーの猛攻に耐えきれずにベスト16で敗退した。スポーツバーで観戦していた女性(26)は「終了直後は大きなため息に包まれていましたが、すぐに拍手に変わった。すごく良い試合だった。日本代表には『感動をありがとう』と伝えたい」と感極まった様子で話した。

 スーツ姿の会社員男性(24)は「本気になったベルギーはすごかった。本当に悔しい。また4年後、新しい日本代表を見せてほしい」。品川区の会社に勤めるこの男性は、ネットカフェで2時間ほど仮眠を取ってから出勤するという。

 試合がこの日午前3時開始ということもあり、試合中は交差点付近にいる人は少なかった。それでも日本代表勝利の大騒ぎに備え、警察官が大勢待機。日本が2点を先行してからは、通行の際に警察官がロープを持って列になり、横断歩道の斜め横断を規制した。

 厳戒態勢を敷いていたが、結果は逆転負け。午前5時ごろからは電車の運行も始まったため、ほとんどのファンは足早に帰路に就いた。そのため予想された騒ぎは起きなかった。1次リーグ3試合の終了後は、試合後約3時間ほどは騒ぎが続き、警察も規制を続けていたが、この日は試合後約25分で全ての規制が解除された。午前6時ごろには、警察官の姿はほとんど見えなくなった。

 試合後の交差点付近には、ごみ拾いをする人の姿も多く見られた。友人と2人でごみ拾いをしていた女子学生(18)は「本当に良い試合で感動した。手伝ってくれる人も多いので、今日はすがすがしい気持ちで家に帰れそうです」と笑顔だった。