北海道むかわ町の穂別博物館が、展示していたアンモナイトの化石2点が盗まれとして苫小牧署に被害届を出した件で、同博物館は4日、化石2点が敷地内から見つかったと明らかにした。

 盗まれたのは直径約2センチの円形と、長さ約5センチの棒状の化石(計約100万円相当)の2点。いずれも白亜紀末のマーストリヒチアン期前期(約7200万~7000万年前)のもので、この年代のアンモナイトとして北海道道内で初めて見つかった化石の一部。

 博物館によると、発見したのは苫小牧市からむかわ町に帰省中の小学生で、7月28日の夕方、敷地内の砂利の中に棒状の化石が落ちているのを見つけた。「変わった石」と思い、1度持ち帰ったが、4日の新聞報道を見て、拾った石が盗難された化石であることに気付き、同日午前に博物館に持参したという。

 また、同日昼ごろには最初に発見した場所付近で職員らと小石1つ1つを持ち上げて探す中で、この小学生がもう1つの円形のアンモナイトも発見した。

 資料はほぼ完全な状態で発見されたが、修正液とマジックで記入した標本番号が削られていたことから、同館では「軽いいたずらで標本を持ち出したのではなく、窃盗を目的とした行為であったと推測される」とし、盗まれたアンモナイトが入っていたガラスケース内に残されていた指紋の大きさから「犯人は大人であると推測している」としている。