宮崎県高千穂町の農業飯干保生さん(72)方で6人が殺害された事件で、一家以外でただ1人犠牲となった五ケ瀬町の農業松岡史晃さん(44)が地元消防団の飲み会の途中に飯干さんの次男夫婦に呼び出され、飯干さん宅に向かっていたことが28日、分かった。高千穂署捜査本部は26日に発覚した事件の前夜に夫婦のトラブルが深刻な状態になり、殺人につながった可能性があるとみて調べている。
松岡さんは高千穂町に隣接する五ケ瀬町の消防団員で、25日は他の団員と消防点検した後、詰め所で開かれていた飲み会に参加していた。普段と変わらない様子だったが、飯干さんの次男昌大さん(42)美紀子さん(41)夫妻から「トラブルになったので来てほしい」と呼び出された。松岡さんは「夫婦げんかの仲裁に行く」と話し、軽トラックで飯干さん宅に向かったという。昌大さんの女性関係をめぐって美紀子さんと口論になっていたとされる。
事件では松岡さん、飯干さん、飯干さんの妻実穂子さん(66)、美紀子さん、昌大さんの長男拓海さん(21)、長女唯さん(7)が遺体で見つかった。風呂場の脱衣場に倒れていた美紀子さんと唯さんには外傷はなく、手で首を絞められたような痕があった。残る4人は頭や首に刃物傷があり、実穂子さんは屋外の倉庫のそばで、男性3人は室内で見つかった。血の付いたナタが寝室で発見されている。
昌大さんは約3キロ離れた「神都高千穂大橋」(高さ115メートル)下の五ケ瀬川で26日午後、遺体で発見された。作業服姿で遺書はなかったが、欄干から昌大さんの指紋が検出された。捜査本部では6人は25日夜から26日未明にかけて相次いで殺害されたとみて、司法解剖し、死因の特定を急いでいる。

