山口県岩国市の第3セクター「いわくにバス」の社長(37)が、運転手の態度に対する乗客からの苦情メールに対し「ハンマーで殴っていい」と返信していたことが19日、同社への取材などで分かった。

同社によると、14日にバスの乗客がICカードのチャージに関して運転手に聞いたところ、運転手が不適切で不愉快な言葉を述べたという。乗客がメールで同社に苦情を送ると、苦情対応を担当する上田純史社長から、謝罪の言葉の後に「運転席の近くに点検用のハンマーがあります。それを使って割とマジで、次から殴っていいです。赤ちゃんと同じなので、その場ですぐ叱らないと理解しません」との返信があった。

これを受け、乗客は岩国市にメールの不適切表現について情報提供し、ツイッターにもアップした。市はツイッターも確認し、17日に上田社長に口頭注意。上田社長は「今後は気を付けたい」と応じたという。

同社によると、ハンマーは日常点検でタイヤなどをたたく際に使用。大きさについては「バスごとにまちまちで把握していない」とした上で「ハンマーなので当然、人をたたいたら危険」とした。上田社長について処分などはしない方針だが、苦情対応を継続するかは未定とした。

一方、地元では上田社長に対する同情の声も。社長は関東のバス会社から、公募に応じて12年に社長就任。赤字の市交通局から3年かけて第3セクターに完全移管した15年以降は、黒字経営にしたという。業界関係者は「運転手が全国的に不足する中、主婦や60歳以上の採用、2種免許取得補助などアイデアを出し、自らも運転していた。運転手をかき集めている状態で、素行が悪くて首を切りたくても切れない、そんな運転手もいた」と明かし、「教育係でもあったので、思わず感情的になってしまったのでは」と推察した。

同社は、岩国市内の路線バスや岩国~広島の高速バスなどを運行。運転手約50人、バス約60台を保有している。