日雇い労働者が多く滞在する横浜市中区寿町で4日午前6時15分ごろ、簡易宿泊所「扇荘別館」から出火し、60代男性と80代女性の2人が死亡した。他に70代の男性1人が意識不明の重体、7人が重軽傷を負った。いずれも宿泊者で、神奈川県警が出火原因などを調べている。

県警などによると建物は10階建てで、5階から出火して計4部屋と廊下や共用トイレを焼き、午前7時15分ごろ鎮火。死亡した男女の部屋の燃え方が最もひどく、男性は室内、女性は部屋を出たところで見つかった。男性は喫煙者で、車いすだったとの情報もある。当時は約140人の宿泊者がいたとみられる。

また、安否確認の際、9階の部屋から、別の高齢男性1人の遺体が発見された。遺体は死後数日以上が経過し傷みが激しく、火災とは無関係とみられる。

周辺住民らによると、現場の簡易宿泊所はバリアフリー設備が充実しており、車いすや要介護の高齢者の割合が多かったという。一帯の簡易宿泊所では館内喫煙が常態化。「1フロアに共用キッチン1つなので、面倒くさがってカセットこんろを持ち込んで自炊する人もいた」という。

ある住民によると、現場は1泊1700円で大半が長期滞在者。生活保護の支給日に月の滞在費を一括で払う人が多く、この日が年明け最初の支給日だった。宿泊していた男性(47)は「非常階段が利用客で詰まっており、戸惑った」と疲れた様子。別の男性は「寿町でボヤはしょっちゅうだけど、ここまで大きな火事は久々」と驚いていた。