★7月6日から13日まで青島周辺の海域で実施された中ロ合同演習「海上連合2026」。6日には中国海軍の潜水艦が南シナ海から太平洋に向けて潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試験発射を行った。日本、オーストラリア、ニュージーランド、米国は懸念を示したが、問題は南太平洋で試射したことにある。防衛関係者が言う。「これは日本海域付近には中国の核弾頭を搭載したSLBMで武装した弾道ミサイル原子力潜水艦が少なくとも一隻哨戒任務で投入されたとみるべき」。
★また演習後に21年以来続く中ロ艦船で日本を一周する海上合同パトロールを実施、19日には日本最南端、沖ノ鳥島EEZ内で中国艦が実弾射撃訓練を行った。16日に宮古海峡を通過、沖ノ鳥島・南硫黄島南側を経て千葉県沖、東北沿岸と北上、宗谷海峡を通り日本海に抜けた。演習からパトロールにかけて、ミサイル原潜配備や沖ノ鳥島を島と認めず、破壊は可能と示唆して、太平洋に出やすくするなど、新たな領土問題を提起し、緊張を拡大させた。そこで先月17日に櫻井よしこのネット番組に出演した防衛相・小泉進次郎の「日本にとっては議論するのが難しい課題だが、触れざるを得ない一つは核だ」発言は省内の対中強硬派に引きずられたものとの見方もできるが、昨年暮れの官邸幹部の「核武装すべき」発言や自民党大会への陸自の出演など、省内と世論をあおる防衛相にさすがに「好戦的」で「閣僚としての資質」を問う声も党内から聞こえてくる。
★最近は中国外務省報道局長も小泉を名指しで「現職の防衛当局の責任者がこのような発言を行うことは日本の戦後史上、極めて異例で挑発的だ」とし「新軍国主義」とけん制した。自民党ベテラン議員は「高市政権や連立を組む維新の発言や発想は資源や兵站(へいたん)を海外にいまだ依存し、エネルギーや食糧すら自給できない国家の指導者が安全保障至上主義になって戦前回帰を訴えるのは稚拙ではないか。防衛相の発言だけでも外交は壊れてしまう。挑発を受け流せないのは政治家として軽率で未熟だ」と厳しい。世界の安全保障の最前線に立ち、大いに学んだのだろうが、我が国の戦後の生い立ちや自民党政治の苦難の歴史を学ばなければ外務、防衛は務まらない。まして首相など。その前例が出来てしまったことに自民党も気づかぬはずはない。(K)※敬称略


