平成もあと3日となったが、新元号を社名につけた「令和企業」が続々と誕生している。26日正午までに全国29都道府県で73社(新設44社、社名変更29社)が法人登記されたことが明らかになった。これは元号が平成となった1989年1月8日から1カ月間の「62社を上回るペース」(信用調査会社・東京商工リサーチ)だ。新元号が発表された4月1日から10日間で申請手続きを終了した「令和企業」は30社。以降、新たに43社が名乗りを上げた。

令和企業の注目度は断然だ。1日に社名変更を発表した「令和コンサルティング」(さいたま市)は「反響のすごさに驚いてます」(代表取締役・藤岡壮志氏)。経営コンサルタント業の同社HPのアクセス数は1日10件程度だったが発表当日は160万5000件以上に跳ね上がった。以降も300件台をキープし、現在も1日約100件と変更前の10倍と効果絶大だ。

法人登記を申請する全国の法務局も、多くの企業も10連休中で小休止中だが、連休明けから再始動だ。「新設、変更はこれからが本番」と東京商工リサーチ情報本部では予測しており、「令和企業」の増殖の勢いは止まらないようだ。【大上悟】

◆「令和」企業 都道府県別では73社中、東京が令和書籍、令和出版(出版業)など12社で最多。7社の福岡が第2位となったが「令和」出典の万葉集の舞台となった太宰天満宮がある太宰府市の企業はない。社名別では「令和」のみが16社で最多。産業別最多は「サービス業ほか」で31社。