警察官を名乗り、80歳男性からキャッシュカードと現金をだまし取ったとして、兵庫県警長田署は30日、プロ野球オリックスの元選手で無職奥浪鏡容疑者(23=広島県呉市)を詐欺と窃盗の疑いで逮捕した。捜査関係者によると、奥浪容疑者は「キャッシュカードをだまし取っていないし、お金を引き出したことも知らない」と容疑を否認している。

署は、容疑者が実行犯ではなく、詐欺グループの指示役の可能性があるとみている。

逮捕容疑は、兵庫県尼崎市の男性(80)に「キャッシュカードが犯罪に関係している。警察官が家に行くので、キャッシュカードを渡してください」とうその電話をかけ、キャッシュカード2枚をだまし取り、昨年7月10日及び11日に、尼崎市内や大阪市内のATMで8回にわたり、現金計200万円を引き出した疑い。

捜査関係者によると、同じ事件の実行犯とみられる人物が「詐欺の仕事は奥浪から紹介された」と供述したことなどから、奥波容疑者が浮上した。事件関係者から容疑者の口座に、報酬とみられる金銭の振り込みもあったという。

奥浪容疑者は14年にオリックス入り。17年5月、運転免許停止中に無免許で車を運転して事故を起こし、同年8月に契約解除された。18年5月に自動車運転処罰法違反(無免許過失傷害)の罪で有罪判決を受け、執行猶予中だった今年3月、女子高生にみだらな行為をしたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(買春)の疑いで逮捕され、同罪で起訴された。