立憲民主党など野党5党派が提出した安倍内閣不信任決議案は25日の衆院本会議で、与党などの反対多数で否決された。本会議には、戦争による北方領土奪還論に言及し、衆院で糾弾決議が可決された丸山穂高衆院議員(35=日本維新の会を除名)が約1カ月ぶりに出席し、反対票を投じた。

5月下旬に「2カ月の休養が必要」とする診断書を出して以来、休養中の丸山氏。この日は「体調は万全ではないが重要な採決」と考え、国会に来たそうだ。

丸山氏が取材に応じたのは先月20日以来で、今月6日の糾弾決議の可決後、初めて。糾弾決議について「70年以上北方領土を不法占拠するロシアに出すなら分かるが、私に出すのは極めて遺憾」と不満を漏らしたが、武力で北方領土を取り戻すのが自身の政治思想かと問われると「議論の1つで、私自身がそうだとは思わない。交渉で帰ってくるなら喜ばしい」と、強硬姿勢は影を潜めた。「安倍総理の手腕が問われている。政治は結果責任だ。(大阪の)G20サミットで返ってくることを望みます」と、評論家のように語った。

不信任案に反対した理由については「出すか出さないか、野党は最後までブレブレ。国民から見ても茶番劇ではないか。解散総選挙があるなら出さないみたいな姿勢では、到底賛成できない」となどと述べた。4分あまりで取材を打ち切り、衛視にガードされて国会を後にした丸山氏。「辞職はありません。自分はブレずにしっかり仕事して、任期をまっとうしたい」。野党を皮肉ったつもりなのか、あらためて辞職を否定した。【中山知子】