東京の花見名所として人気のスポットとなっている目黒川では28日、貴重な雪の中の桜を見ようと、多くの人が訪れ、写真撮影などを楽しんだ。

目黒区では27日に、同所での花見の自粛を呼び掛けており、この日も区の職員や警備員が巡回車などで自粛を求めたが、指示に従わない花見客もおり警備員が諦めムードを漂わせるひと幕もあった。 昨年上京した、20代の女性は、外出自粛は理解しているが「北海道で60人感染と、東京で60人の感染では、人口密度が違うから人数だけ比較しても…」と独自見解を示した。アイドルグッズと撮影をしていた20代女性は「周りに感染者がいないから、意識は低いかもしれない。身近に感染者がでたら考えが変わるかもしれない」と話し、夕食のために渋谷方面に向かった。 また、近くに40年間住む60代女性は「私は、人がいなかった当時の古い桜を知っている。桜の気持ちになっているのよ」と力説。女性は、近年の商業的な盛り上がりを見せる同所の桜が嫌いだという。「人もいないし、雨で幹がきれいに映る。久しぶりに昔のような自然な桜が見られた。大満喫」とカメラのシャッターを切った。 一方で、「できれば家にいて、ゲームがしたいです」と嘆く人もいた。仕事で関西から来たという20代の女性フォトグラファーは、新幹線での長時間の移動は感染リスクが高まるため、不安を抱えていると明かした。昨日、上京したが急きょ撮影が中止になったといい、大きな荷物を抱えながら、岐路の途中にある目黒川の桜に癒やされていた。