東京都知事選は5日、投開票され、現職の小池百合子氏(67)が再選を果たした。

強力なライバル不在の中、公務を優先、新型コロナウイルス感染症対策に打ち込む現職をアピールしたが今後もコロナ対策や東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開催など、課題は山積みだ。前回選挙で掲げた目標もほぼ達成できず、1期目以上に厳しい目で見られ、2期目は政治家として正念場を迎えることになる。

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れいわ新選組の山本太郎代表(45)は、昨年の参院選のようなブームを起こすことはできなかった。

野党は現職の小池氏に対抗するため統一候補の擁立を目指し、一時は立憲民主党が山本氏を念頭に調整を進めた。しかし、野党共闘の条件に「消費税5%」を主張する山本氏とは折り合わず、山本氏と宇都宮健児氏の事前協議も物別れに。立民、共産、社民両党は宇都宮氏の支援に回り、国民民主は自主投票と、野党票は分散。山本氏にとっては、告示直前となった出馬表明の遅れも響いた。

コロナ禍の選挙で事前に告知しないゲリラの街頭演説という「地上戦」を、ネットでライブ配信する「空中戦」を展開。公開討論会がほとんどなかったことには「当然、(選挙戦に)影響があった。小池さんが表面的なことで成り立っているのを暴けた」と強く反発した。小池氏のコロナ禍対策を批判し「小池さんの票を削れるのは自分」「高い高い、百合子山を越える」と対決姿勢で臨んだが、「事前の調査でも候補者を一本化しても、かなう相手ではなかった」と冷静な分析もしていた。【大上悟】