東京五輪の聖火リレーは23日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令中の兵庫県に入った。2日間の日程で行われ、兵庫県全域で公道での走行は中止された。初日は、姫路市の姫路城三の丸広場で無観客の中、ランナーは登壇し、次の人に歩み寄り、トーチの先を互いに近づけて炎をつないだ。

「トーチキス」に参加した加古川市出身のお笑いタレント陣内智則(47)は聖火をつないだ後、右手でピースサインをつくり、笑顔で手を振った。「舞台慣れしているので、緊張しないと思っていたが、けっこう緊張した」。

タレントらの聖火リレー辞退が相次ぐ中、テレビで共演するダウンタウンの松本人志からは「今回のことも『大丈夫なん?』と心配していただいた」と明かし、参加するかどうかについて「ほんと悩みました。当時と状況が変わり、緊急事態宣言中になり、県をまたぐことによく思われない方もいる。感染対策をしっかりして、何か前向きなサポートができたらなと思い、参加を選んだ。走ることでちょっとでも笑顔になってくれる人がいればと思った」と決意を語った。

東京五輪開催への賛否もあるが、「もちろん一番、安全な環境で見たい。ただ、それができないのであれば、選手の方が一番たいへんだと思うので、まずはしっかりとした安全が整うのが見たい」と要望した。

応援は家族など関係者は当初4人だったが、2人までとなったため「僕のおやじは来る気満々だったけど、泣く泣くでした。その代わり写真をいっぱい撮ってきてくれと。写真を送ります」と笑顔で話した。

◆23日の聖火リレー 兵庫県では2日間の日程で行われ、初日は姫路市の姫路城三の丸広場で、走らずに聖火を受け渡すだけの「トーチキス」を実施した。最終走者のラグビーの元日本代表、大畑大介氏が聖火皿に点火した。24日は篠山城跡三の丸広場(丹波篠山市)で約20メートルの聖火リレーが行われ、フィギュアスケート日本女子のエース紀平梨花、お笑いタレント間寛平、タレント武井壮らが走る。