栃木県那須町の河川敷で16日に焼損した夫婦の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された指示役とみられる佐々木光容疑者(28)が夫婦について「ある人物から4月初めに処理を頼まれた」と供述していることが30日、捜査関係者への取材で分かった。「報酬は受け取っていない」とも話しており、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は供述内容について慎重に確認を進めている。

同容疑で21日に逮捕された平山綾拳容疑者(25)が、佐々木容疑者から「千数百万円の報酬を受け取った」と供述したことも判明。16日未明に東京都内の居酒屋で受け取ったと話しているが、報酬を受け取った形跡は確認できていない。

平山容疑者の車から見つかったハンマーに付着した血痕が被害女性のものと確認されたことも分かった。凶器とみられる。平山容疑者は居酒屋とは別の場所で出頭前に携帯電話を佐々木容疑者に渡したと説明している。

夫婦は会社役員宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)。平山容疑者は車を15日夜に実行役とみられる2人組に貸した後、16日未明に都内の居酒屋に入店。その後に入った佐々木容疑者と一緒に店を離れていた。

捜査本部は佐々木容疑者が平山容疑者に遺体の処理を指示したとみており、平山容疑者は「2人組に連絡して依頼した」と説明。佐々木容疑者は2人組と面識はないとみられ、宝島さん夫婦についても「知らない」と供述している。捜査本部はさらなる指示役がいるとみて捜査している。(共同)