将棋の藤井聡太竜王(19)が2022年の年頭にあたり、「道」と揮毫(きごう)した。昨年は棋聖と王位を防衛したうえで、叡王、竜王と奪取。史上最年少の4冠に輝いた。来週9日からは渡辺明王将(名人・棋王=37)との王将戦7番勝負も控えている。さらなる頂点を目指す道を、今年も歩んでいく。
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「将棋に関して強くなることを目標に取り組んできました。ブレないで、進んでいきたいと思います」。今年成人する若き4冠は、「道」という文字に込めた思いを語った。
デビューして5年、今や将棋界で8つあるタイトルのうち半分を占めた。結果は出ている。それでも、プロ棋士としてしっかり実力を高めていくという姿勢は一貫している。
藤井は言う。「どうすれば強くなれるかと、決まった方法があるわけではありません。自分の将棋に対する不安は常にあります。それを打ち消すためにも、ふだんからしっかり取り組むこと。楽しむ気持ちが大事。試行錯誤しながら、その代わり前に進んだ時の充実感があると思います」。
具体的な勉強法もある。局面について深く考えるのだ。「ふだんの対局で適切に判断できない局面が常にあるので、それを改めて考えていくことが課題」という。当然、対局後にミスしたところも振り返る。「自分がどこでミスをしたかは分かります。なぜしたのかは、ソフトを使って自分の読み筋と合わせながら考えるようにしています」。
勝率8割を超える藤井でも、考えて分からない時がある。うまくいかなければ、いったん違うことをやったりして、無理のないペースで進める。「深刻にとらえすぎても良くないので、淡々と続けることが成果につながるのではないかと思っています」。この切り替えのうまさが、勝ちまくるコツだろう。
直後に控えた王将戦に向けての準備は怠りない。渡辺と1日制5番勝負の棋聖戦では対戦したが、2日制7番勝負は初。「棋聖戦は結果が幸いしましたが、内容的に際どい将棋が多く、序~中盤の戦略でまんまとペースにはまり、強さを感じました。持ち時間(8時間)を有効に使って対抗できるようにやっていければ」とプランを立てている。
先に4勝すれば、史上最年少5冠。1993年(平5)に羽生善治が王位戦で達成した22歳11カ月で達成した記録(竜王・王位・王座・棋王・棋聖)を更新する。現在8勝1敗でトップを走る順位戦B級1組でも、年明け3戦の勝敗次第で名人戦挑戦権を争うA級リーグ昇級となる。「意識することではないと思っています。全力を尽くして精進できればと思います」。
昨年は重要な対局が続くなか、タイトルを倍増させた。「次の対局に集中する」「コンディション維持のため早めに寝る」というスタイルは変えない。
いつも通りを意識して、「強くなりたい」との大志を抱いて歩む道。今年もその活躍から目が離せない。【赤塚辰浩】
第71期ALSOK杯王将戦7番勝負日程
◆第1局 1月9、10日
静岡県掛川市「掛川城二の丸茶室」
◆第2局 1月22、23日
大阪府高槻市「山水館」
◆第3局 1月29、30日
栃木県大田原市「ホテル花月」
◆第4局 2月11、12日
東京都立川市「SORANO HOTEL」
◆第5局 2月26、27日
佐賀県上峰町「大幸園」
◆第6局 3月12、13日
島根県大田市「さんべ荘」
◆第7局 3月26、27日
新潟県佐渡市「きらく」

